闘病生活? 闘病日記? 闘病ブログ? 闘病という言葉の弊害【言葉を言い換えましょう】

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病室

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kazuki-ONEMasterです。

 患者さん自身、または、患者さんのお見舞いのときにかける言葉で『闘病』という言葉を使われている方が多いと思います。また、闘病生活、闘病日記、闘病ブログなどもよく聞く言葉です。

 この『闘病』という便利な言葉は、「なんとなく使っている」、「辛く苦しいから」、「病と闘っているから」など、さまざまな理由から感覚的に使われています。

 しかし、この便利な『闘病』という言葉は、患者さんにとって気づかぬうちにストレスとなり、行動力や可能性をも奪います。

 結論として、まずは『闘病』という言葉を使うのはやめましょう。

 入院生活を送るうえで、少しでも楽に入院生活を送り、治療に専念できるよう、『闘病』という言葉の弊害について深掘りし、言い換えるべき言葉をお伝えします。

自己紹介です。

 筆者は、2018年10月頃(当時35歳)、急性前骨髄急性白血病を発症し入院しました。期間としては、通常の治療(入院)を半年間行って無事退院(2018/10/17~2019/04/17)。その約半年後に再発を確認し、自家移植、放射線治療まで1年ほど入院生活を送り、現在は治療を終え退院しています。(2019/12/03~2020/12/30)

闘病生活? 闘病日記? 闘病ブログ? 闘病という言葉の弊害【言葉を言い換えましょう】

 この記事は、私が以前noteに投稿したものが原案です。

『闘病』という言葉について

 まず、『闘病』という言葉の意味です。

 ・病気と戦う(闘う)こと

 ・強い意志で療養につとめること

 ・病気に抗い(あらがい)、病気を治そうとして努力する生活

などの記述があります。

 戦う(闘う)、抗う、努力、強い意志など、言葉を見るだけでも、辛く苦しい思いをしなければならない事を連想させます。

 キャッチーでありながら美徳をも感じさせる『闘病』という言葉ですが、テレビ等マスコミの単一の価値観の言葉です。

 例えばテレビでは、辛い闘病生活の果てに死んでいく様を特集番組として放送していたりもしますが、患者さんやそのご家族が『闘病』という言葉を使うことで、テレビの『辛い闘病生活』のイメージを自らに(患者自身に)植え付け、自ら辛い思いをするという選択をしていると言えます。

 我々が普段発している言葉、耳にしている言葉、見ている文字には、イメージ・固定観念があります。『闘病』という言葉を使い続けることで、潜在意識が「闘病しなければならない」と認識します。

 『闘病』という言葉は、確実にマイナスイメージであり、治療を苦労に変え、結果、現実(病気)を受け入れられなくなってしまいます。

 また、スピリチュアルな言い方ですが、「言霊(ことだま)」というのもあります。やはり、辛く苦しい現実を引き寄せてしまっていることになります。

 考えるべきことは、病気に対して何を頑張ろうとしているのかです。抗がん剤や注射などは自分(患者さん)が顕在的に頑張ることは無いです。もし、頑張る(闘う)としたら、少々具合悪くてもリハビリ・筋トレをやったり、病院食をしっかり食べる(栄養をしっかりとる)こと、また、休養をしっかりとることであり、病気に対しての闘いはどこにもありません。

 もし、闘病するぞと強い意識で入院生活に臨む(のぞむ)つもりであれば、その意識を変えて入院生活を送ることを勧めます。

 『闘病』=闘う・頑張るという定義で、次の項で書籍の紹介をしながらさらに解説します。

書籍から

 精神科医で、映画評論家、作家、YouTuberの樺沢紫苑さんの書籍です。

書籍・頑張らなければ病気は治る

https://amzn.to/2FHqGEG

 この本の中にも、『闘病は病気を悪化させる』とあります。

 闘病…よくない言葉。闘うほどストレスが増える。

 書籍の内容としては、『頑張らない』をテーマに、闘病を頑張らない、名医探しを頑張らない、自分を責めることを頑張らない、薬を疑うことを頑張らない、完全に治そうと頑張らないなどを解説されています。

 また、患者さんのご家族に向けて、動揺しない、焦らない、家族が頑張りすぎてもよくない、患者さんと闘わないなど、患者さんのご家族のあるべき姿についても解説されています。

 患者の立場として、この著書の内容にはとても共感できます。私も、白血病になり初めて入院し、「負けるな」とか「頑張れ」とか言う方がいました。

 しかし、それを言われても全く心に刺さらなかったのを覚えています。入院生活というのは、勝敗や努力という概念で送るものではないからです。

 なぜ、頑張ってはいけないのか?患者になればわかりますが、前述した通り、そもそも病気に対して頑張る事が何もないからで、もし、頑張るのなら習慣としてリハビリや筋トレ、栄養摂取、休養をとる事ぐらいです。

 もう一つお話しすると、病気の完治・根絶、早期の社会復帰に対して意気込むほど、苦しい思いをする可能性があります。

 例えば、医師から治療期間の説明があっても、なかなか予定通りにはいかないものです。私は、「最短でどのぐらいの期間か?」というのも必ず確認しますが、最短には程遠く時間がかかることが多かったです(再発の治療をしている今もそう)。

 そして、その時に自分の予定とは大幅に誤差が発生し、多大なストレスを抱えてしまいます。できる限り、期間などは気にせず、治療が順調に進んでいることを頼りにして、入院生活を自分の時間として有意義に過ごすことをおすすめします。

 さらに、入院生活にはご家族の理解というのも大事です。

 私は現在(2020/09/18時点)37歳で、妻(同い年)、子供3人(中学生、小学生)がいます。2018年10月の入院直後は生活費のことなどで妻とギクシャクしたときもありました。入院治療しているときに病気とは別の要因でストレスを抱え込むと精神的にはかなりの負担になります。

 家族が動揺する、焦る、頑張りすぎるというのも、やはり患者さんにとってはプレッシャーになります。

 書籍の内容は、患者さんに限らず、患者さんのご家族の理解も必要となりますし、目に見えないことではありますが、私は実際に入院治療を経験して、必要なことだと感じています。病気を治すための努力をするなら、こういった日々の言動から見直すことも重要なこととなります。

言葉を言い換える

闘病→治療、療養

闘病生活→入院生活、療養生活

という言い換えをおすすめします。

 余談ですが、私が入院している病院の医師、看護師らは、『闘病』、『頑張れ』、『負けるな』という言葉は一切使いません。教育上そうしているのかはわかりませんが、病院内で医療関係者に言われたことは一度もありません。

 言葉を言い換えることから治療を始めてみませんか?

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