高額医療費 限度額適用で約半年の入院にかかった金額【白血病の入院費用の紹介 生命保険の参考に】
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kazuki-ONEMasterです。
数か月の入院が予想される病気になってしまった場合、体も心配ですがお金の悩みも切実なところです。
また、現在健康だったとしても、病気やケガというのは突然やってきます。
「数か月の入院になった場合、入院費用がどのくらいになるのか?」
「高額医療費、限度額適用の申請をしたら負担はどのくらいになるのか?」
「生命保険の加入や保障内容の変更を考えている」
という方に向けて、私が急性前骨髄急性白血病の治療で約半年間の入院治療に必要となった費用(医療費、病院への支払総額)を紹介、解説します。
事務や専門の職業ではないので、自身の支払いの解説になりますが、基本的なところは他の患者さん、特にがん治療で入院の患者さんには参考にしていただける内容です。
後半、入院にあたって他に必要となる費用(患者さんの生活費、家族の生活費、国民健康保険料、社会保険料)や傷病手当金についても解説します。
今回の記事の内容は、
・高額医療費、限度額適用とは
・実際に病院に支払った金額
・入院にあたって他に必要となった出費(患者さんの生活費、家族の生活費、国民健康保険料、社会保険料、合計額)
・傷病手当金
・生命保険の加入、保障内容をどうするか悩んでいる方へ
という内容で解説していきます。
貯金額などを考え、生命保険が必要かどうか、保障内容をどうするかなどの参考にしてください。
自己紹介です。
筆者は、2018年10月頃(当時35歳)、急性前骨髄急性白血病を発症し入院しました。期間としては、通常の治療(入院)を半年間行って無事退院(2018/10/17~2019/04/17)。その約半年後に再発を確認し、自家移植、放射線治療まで1年ほど入院生活を送り、現在は治療を終え退院しています。(2019/12/03~2020/12/30)
私の支払い額をもとに解説するので、参考までに当時の私の月収をお伝えします。月収は26~28万円(総支給額)でしたが、転職して1年ぐらいでしたので、12か月以内で考えると少ない月も数か月ありました。
目次
高額医療費 限度額適用で約半年の入院にかかった金額【白血病の入院費用の紹介 生命保険の参考に】
こちらの記事は、私が以前noteに投稿したものを原案に作成しました。
高額医療費、限度額適用とは
高額医療費、限度額適用とは何かを簡単に説明します。詳細を知りたい方は全国健康保険協会のリンクを貼っておきますので、そちらを確認していただくと確実です。
↓全国健康保険協会のリンク↓
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
・高額医療費
まず、高額医療費についての説明をします。
健康保険(国民健康保険、社会保険)加入者の医療費の支払いには、収入に応じて自己負担限度額というものが定められています。
病院からの医療費の請求(個室料金、病衣代、食事代などは除く)が、自己負担限度額を超えている場合、超えている差額分を後から払い戻してもらえるという制度です。
あくまで、後から払い戻してもらえるというものなので、病院の窓口では一度支払わなければなりません。
例として、区分ウで診療費合計1,800,000円の場合をあげてみます。
診療費合計1,800,000円の3割負担(国民健康保険、社会保険)なので、1,800,000×30%=540,000
支払金額(総医療費)は540,000円となり、高額医療費制度が適用されるとしても窓口で一度この金額を支払わなければなりません。さらに、保険外負担分(個室料金、食事代など)は別途支払いが必要です。
白血病などの抗がん剤治療の患者さんは1か月このぐらいの金額はザラです。これを数か月とか…。
そして次に、高額医療費の申請で戻る金額を計算します。区分ウの自己負担限度額として、80,100+(総医療費-267,000円)×1%を計算します。
80,100+(540,000-267,000)×1%=82,830
82,830円が公費負担金(限度額)という事になります。
つまり、540,000円-82,830円=457,710円は差額分となり、高額医療費の申請をすることによって540,000円窓口で支払った後、457,710円は戻ってくるという事になります。ただ、戻るまでに数か月かかりますし、保険外負担分(個室料金、食事代など)は別途支払いが必要です。上記の計算は食事代などは入れていませんので、実際の病院への支払い金額はさらに上がります。
次項の限度額の説明のところで、その他料金の例も一緒にあげていきます。
・限度額適用
次に限度額適用についてです。認定証の申請については医療機関で書類をくれますので、記入して郵送となります。
病院での支払いの際に保険証と併せて『限度額適用認定証』を提示することで窓口での『医療費』の支払いが自己負担限度額までになります。保険外負担分(個室料金、食事代など)は別途支払いが必要なのは同じです。
高額医療費のところで説明した金額を参考にすると、窓口での支払額が82,830円+保険外負担金(個室料金や食事代)で済みます。
また、1年以内に3か月以上、高額医療費(限度額適用)の支給を受けている場合、4か月目からは多数該当として負担金額が下がります。例えば、区分ウの場合80,100+(総医療費-267,000円)×1%で算出された金額ではなく44,400円となります。
・実際には
実際に請求合計がどのくらいか、参考までに私の2018/11/01~2018/11/30入院分の請求書の画像を載せます。限度額適用認定証提示で、区分ウ2か月目です。1か月まるまる入院した時です。
診療費合計2,300,900円、公費負担金は100,439円ですが、保険外負担金として、病衣貸与料30日分にプラス消費税、食事負担金が加算されて145,079円が合計の請求額となってます。
保険外負担金の部分は、病院によってばらつきがあります。さらに食事負担金は同じ病院でも患者さんごとに差があります。ちなみに、画像の請求書には個室の利用料金はありません。
参考までに、個室の利用料金の相場はだいたい1日5,000~10,000円程度が多いようです。仮に個室料金1日5,000円だとして、30日個室利用になると上記の請求金額にプラス150,000円となり、合計295,079円となります。
急性前骨髄球性白血病(私の場合)の約半年の入院の中では上記が1か月の最高額(限度額適用)でしたが、他の月も毎月10万円前後の請求でした。
次の項で約半年の支払い合計額などを紹介していきます。
実際に病院に支払った金額
まず画像を載せます。請求書が1か月内でも複数枚のときもあったので、数枚まとめて編集してます。モザイク多くてすみません…。
私の場合、約半年の入院による病院への支払総額は725,620円でした。(区分ウ、限度額適用)
改めて計算してみましたが、高額医療費の請求のみ(限度額適用の申請をしない場合)だと、約半年のうちに病院に4,231,760円を支払わなければなりません。高額医療費の請求をして、合計3,506,140円が戻ってくる計算になります。
あくまで私の場合(区分ウ、抗がん剤4クールで寛解・地固め療法)ですが、白血病・抗がん剤治療で入院して、約半年の医療費は70万円以上必要になりました。
ここの金額だけ見ると、貯金でどうにかできるかなという人もいらっしゃるかと思います。煽るわけではありませんが、他にはどういった出費があるか、さらに紹介していきます。
入院にあたって他に必要となった出費(患者さんの生活費、家族の生活費、国民健康保険料、社会保険料、合計額)
・患者さんの生活費
まず、患者さんの生活費というのは、日用品(生活用品)、飲み物、食べ物、洗濯機や乾燥機の利用料、テレビカードの費用が必要になります。簡単に解説します。
日用品については、普段の生活でも使うものなので、入院時に買い揃える他に大幅に出費が増えるということはありませんが、やはりお金はかかります。
飲み物については、病院の水道水は飲めない場合が多いので、最低でも水やお茶は用意する必要があります。病院の売店や自販機で揃えると1日分(500ml×3~4本)で500円前後かかります。特に抗がん剤などの点滴をされている患者さんは経口での水分摂取も必要とされるため、購入量も増えます。
また、床頭台の冷蔵庫に2ℓのペットボトルが入らない場合が多いことと、特に血液内科の患者さんは開封後1日で飲み切らなければならないので、必然的に500mlのペットボトル飲料を揃えることになります。
食べ物については、病院食以外に何か食べたい患者さんだけですが、毎日となれば結構な出費になります。
洗濯機や乾燥機の利用料については、患者さんが自身で行う場合は必要です。頻度や量はバラバラだと思いますが、併せて洗剤なども準備が必要ですので出費になります。
テレビカードについては、テレビを見なくても冷蔵庫の使用に必要となる場合が多く、購入せざるを得ないものです。病院によって差はありますが、だいたい冷蔵庫24時間100円、テレビは1分1円ぐらいです。もっと高いところもあるようです。
他にも、病院にWi-Fi環境が無くパソコンなどに必要な場合はポケットWi-Fiなども必要になります。
・家族の生活費
入院しても家賃やローンの請求は普通にきますし、ご家族がいる場合、生活費は変わらずかかります。入院している分、減りそうなものですが、大幅には減らないものです。
家族の生活費は家族の生活費として、ある程度の金額を考えておかなければなりません。
また、面会はもちろん、洗濯物や飲み物、食べ物を家族に持ってきてもらう場合、交通費も必要になります。
・国民健康保険料、社会保険料
こちらは、特別に支払いが発生するわけではありませんが、入院前と同じく毎月支払わなければなりません。
特に社会保険料についてですが、社会保険加入者が就労不能となり給与の代わりとして支給される傷病手当金は、会社から支払われるわけではないので社会保険料は天引きされません。なので、別で支払いをしなければならないです。
会社によっては立て替えてくれている場合もありますが、いずれにしろ毎月変わらず支払わなければなりません。
傷病手当金については、後ほど簡単な解説をします。
・合計額
あくまで私の場合ですが、約半年の入院と1か月の療養期間の7か月の間に必要となった金額の合計は医療費(病院の請求合計725,620円)含めて、約2,710,000円となりました。
すべてを家計簿に記録していたわけではないので、だいたいの計算ではありますが整合はとれてます。参考までに簡単に内訳を説明します。見やすいよう千円以下の端数は切り捨てています。
730,000円→医療費
・前述の支払い金額
・初診が別の病院だったためプラス
300,000円→私(患者)の生活費と家族が病院に通うための費用など、入院によって発生した生活費
・飲み物だけでも月1~2万円必要になります
・病院が遠方(当時片道120kmほど)のため、家族が病院に来るためのガソリン代、また宿泊費が必要な時もありました
1,400,000円→家族の生活費、支払いなど
・住宅ローン、食費、水道光熱費、生命保険料、自動車保険料、通信費、学費など1か月20万円で計算
280,000円→社会保険料
・1か月4万円で計算
合計2,710,000円となります。(6か月入院と1か月療養期間の7か月間)
ここに傷病手当金が支給される場合を考えると、必要となる金額はもう少し下がります。
例えば、傷病手当金が30日分で14万円だった場合を単純計算すると、
140,000(円)×7(か月)=980,000円
先ほどの合計額から計算すると、
2,710,000-980,000=1,730,000円となります。
あくまで私が入院するにあたって必要となった金額なので、同じ病気・病名でも収入や治療内容、期間で金額は大きく変わります。
仮に私と同じ条件だとしても、1か月入院期間が延びた場合、さらに30万円前後の出費(医療費や生活費)が考えられますし、自己負担限度額が例にあげた区分ウより少なくても、個室利用などあれば病院からの請求金額が上がるということも考えられます。
参考までに、必要な日常品なども載せている以前noteに投稿した記事です。内容はこの記事とあまり変わりませんが、興味がある方は見てください。私の入院期間はクリスマスと年末年始が絡んでいたのもありましたので、実際の(個人的な)出費はさらにプラス50万円ぐらいの計算でした。
↓noteの記事へのリンク↓
https://note.com/onemaster/n/n3e8c3d0ec43f
傷病手当金
公務員、会社員など社会保険に加入している方が就労不能となった場合、支給される手当金です。(昨今では、コロナウィルスによる入院の場合は国民健康保険でも特例として傷病手当金が支給されるようです)
簡単な説明だけしますが、就労不能となり傷病手当金の申請をすると、支給開始から1年6か月の間、給与収入の3分の2(直近12か月から計算)が支給されます。
条件がいくつかあり、業務外の事由の休業であること、仕事に就くことができないこと、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業した期間に給与の支払いがないことなどがあります。
詳細を知りたい方は全国健康保険協会のホームページで確認してください。
↓全国健康保険協会のリンク↓
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
実際によく勘違いされるポイントから注意点をあげさせていただくと、条件として給与収入がない事と支給開始から1年6か月が対象の期間というところです。
あくまで就労不能で給与収入がない状態の支給なので、期間内に職場復帰して給与収入が発生した場合は、傷病手当金は支払われません。
また、支給開始から1年6か月で期間が終了します。傷病手当金が支給されている途中で職場復帰して給与収入が発生した場合、傷病手当金の支給は無くなりますが、1年6か月のカウントはそのまま進みます。
例えば、白血病などのがん患者さんが入院からすぐに傷病手当金を支給されて、支給開始から1年6か月経過しても治療が続いている場合や、支給開始から1年6か月経過して寛解後に再発の場合でも、傷病手当金は支給されなくなります。傷病名が変わる場合などは申請できる可能性もありますが、基本的には支給開始から1年6か月が支払いの対象となる期間です。
傷病手当金については、会社もはっきりと把握していない場合があります。詳細を確認したい場合は全国健康保険協会に直接お問い合わせいただくのが確実です。
また、傷病手当金の支給期間が終了後も就労不能の場合、障害年金の申請が可能になる場合がありますが、書類が複数必要であり手続きが複雑、申請しても審査があり、必ず支給になるわけではありません。障害の状態によって支給される金額にも大きく差があります。
障害年金について詳細を知りたい方は下に日本年金機構のリンクを貼っておきますので確認してください。
↓日本年金機構のページ↓
生命保険の加入、保障内容をどうするか悩んでいる方へ
ここまで、出費や支給されるお金について簡単に説明してきましたが、生命保険の加入や保障内容の見直しの参考になったでしょうか。
私自身もそうでしたが、目安としては『貯金額が年収の金額に満たない方』や『毎月計画的に貯金できていない方』は、生命保険の加入を検討するべきです。
入院したからといって突然副業を始めようとしても、そもそも体調不良なのもありますし、簡単に収入増とはいかないものです。(仮にスキルがあれば取り組みやすいとは思いますが…)
病気やケガは前触れなく突然やってきます。私自身も、まさか自分が白血病になるとは考えもしませんでしたし、はっきりと白血病と診断されたのは入院してからでした。これといって準備をしないまま、突然数か月の入院(一時退院まででも1か月以上)となりました。そして、その可能性は誰にでもあります。
『貯金額が年収の金額に満たない方』や『毎月計画的に貯金できていない方』が数か月を超える入院となった場合、常に金銭の不安も抱えながら入院生活を送ることになります。病気やケガの治療についても不安や心配を抱えているのに、金銭的にも不安や心配を抱えて入院生活を送るのはかなりのストレスになります。
生命保険に加入すると毎月の支払いは増えてしまいますが、現在の貯金額や収入を考えて、この記事を参考に検討してみてください。
また、昨今では2人に1人は『がん』になるとも言われています。『がん』治療に対する保障についても、今一度考えていただければと思います。
最後に、無料相談を申し込めるサイトのリンクを貼っておきますので、興味のある方は確認してみてください。
特に、
・保険会社が多すぎて迷ってしまう方
・最新の保障内容と併せて見直ししていきたい方
・転職、引っ越し、家族構成に変化がある方
などは、この機会に新規や見直しでよりよい契約に結びつけてもらえればと思います。
病気やケガは突然やってきます。病気やケガになってしまってから後悔しないよう、お早めに検討してください。